「歯周病」という病名を、日常的に耳にする機会も多いのではないでしょうか。しかし、「実際はどのような病気なのか?」と改めて聞かれても、説明できない方は少なくないと思います。
歯周病は、お口の中にいる細菌によって引き起こされる病気です。お口の中には普段から非常に多種の細菌が存在していますが、その中の「歯周病菌」と呼ばれるものによって引き起こされます。
これは何も特別な病気ではなく、「生活習慣病」の一種にも数えられています。生活習慣病と聞くと、大したことがないように勘違いされやすいのですが、歯周病の症状やお身体への影響は、実は非常に大きいのです。
まず重症化した場合は、歯を支える骨が溶けて、歯並びがどんどん崩れていってしまいます。より悪いケースでは、歯が抜け落ちてしまうことも珍しくありません。
さらに歯周病が恐ろしいのは、その影響がお口の中に留まらない点です。現在は以下のような、全身の病気にも影響することがわかってきました。
中でも糖尿病との関連は深く、歯周病は「糖尿病の合併症の1つ」だと言われるほどです。事実、糖尿病の人は歯周病にかかりやすく、また歯周病の人は糖尿病を悪化させやすい、というのがわかっています。「たかが口の中のこと」とあなどっていると、あっという間に歯がなくなるだけでなく、全身の健康も奪われかねません。それが歯周病の本当に恐ろしいところです。歯周病を治療することは、糖尿病の治療やコントロールにも役立つほか、さまざまな全身の健康にも大きくかかわると言えます。
まだ症状が軽い方の場合は、歯磨きや生活習慣の改善で対処できる可能性があります。症状が進んしまっているケースでは、ご家庭でのセルフケアに加え、歯科医院での専門的な治療を受けるのが望ましいでしょう。いずれにせよ歯周病は自覚症状の薄い病気ですので、まずはご自身の歯とお口の状態を医院でチェックしてもらうことをおすすめします。
歯周病とは、歯と歯ぐきの境目に付着したプラーク(歯垢)の中に存在する歯周病菌によって、歯を支えている歯ぐきやあごの骨が破壊されていく病気です。痛みなどの自覚症状が少ないまま進行していくため、気づいたときには重症化していて、「歯を抜かなければならない…」という事態になりがちです。
私どもは軽度の方を対象に、歯科衛生士が主体となって行う「歯周基本治療」を実践しています。さらに、経験豊富な院長による「歯周外科治療」や「歯周組織再生療法(ししゅうそしきさいせいりょうほう)」も可能です。そのため、重症化した歯周病でも歯を抜かずに済むかもしれません。
歯周組織再生療法はその名の通り、歯ぐきやあごの骨といった歯を支えている歯周組織を再生する治療方法です。これにより、進行した歯周病でも歯を抜かずに治療できる可能性があります。
当院では「リグロス」という薬剤を用いた再生療法をご提供しています。これは、歯の周りの組織を再生する効果があるお薬です。保険診療の範囲内で使用できる薬剤ですので、ご安心いただけるのではないでしょうか。
歯医者に通ってはいるものの歯周病がなかなか治らない方、歯を抜くことをすすめられた重症度の高い方も、ぜひご相談ください。
前述の通り、歯周病は生活習慣病の一種だと言われています。一度症状が治まったとしても、歯磨きの方法が誤っていたり生活習慣が悪化したりすると再発しやすい病気です。つまり、歯周病の発症や再発を防ぐには、歯磨きや食生活、睡眠などの基本的な生活習慣をご自身で正していくことが重要なのです。
その一方で、歯科医院が担うべき歯周病予防や再発の防止策として、定期的なメインテナンスをおすすめしています。メインテナンスでは、歯科衛生士による歯のクリーニングを行うほか、ご自宅でのケアやより良い生活習慣についてのアドバイスもいたします。
歯ブラシのサイズや形はさまざまです。今お使いの歯ブラシがお口の状況に合っていない場合、その効果をしっかり発揮できないことがあります。
そこで当院では、患者さまが実際にお使いの歯ブラシを、メインテナンス時にお持ちいただくようにしています。使用中の歯ブラシがどのようなものかを歯科衛生士が把握することで、次のようなメリットが生まれるからです。
歯周病の予防や再発防止は、歯科医院でのケアだけでは成り立ちません。患者さまご自身にも、ご自宅でしっかりケアをしていただくことが不可欠です。
できる限りのサポートを行ってまいりますので、ご安心ください。
永久歯が生えそろっているすべての患者さまに、「V7」という歯ブラシを推奨しています。これは2列植毛のV字型のカットが特徴で、細かい部分まで毛が届きやすく、歯間ブラシの効果もある優れものです。
深さ4mmの歯周ポケット内にも届くため、ポケット内を傷つけない加工がされています。付属のキャップをすることでV字のブラシの形態が維持でき、長持ちさせられます。
歯ぐきが健康な状態の方から歯周治療を終えられた方まで、皆さまにおすすめできる一押しの歯ブラシです。
検査器具やレントゲンで、歯周病の進行度合いを調べます。
歯周病がどんな状態なのかをご説明し、治療計画をご案内します。
歯周病の原因となる歯石やプラーク(歯垢)を、専用の器具を使って取り除きます。
効果の高い歯磨きの方法をお教えします。
歯周病を再発させないために、定期健診や歯のクリーニングを受けることをおすすめします。
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休診日:木曜・日曜